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第28話 十二年前に送金を「止めるな」と言った法務責任者は、六年後に証拠を金庫へ隠していました

last update 게시일: 2026-10-15 15:31:39

第28話 十二年前に送金を「止めるな」と言った法務責任者は、六年後に証拠を金庫へ隠していました

 ヴァレリー・ヴォーンという名前を、私は六年前のVeritas Vaultで一度見ていた。

 当時のグループ法務部門で重要な立場にいた女性。

 アーロン・ミルズやヴィヴィアン・ヴェイルとともに、消されかけた古い記録を保全する側にいた人物。

 だから、十二年前のハルシオン送金を止めないようジュリアン・フォードへ法的助言をした人物として同じ名前が出てきたとき、最初に感じたのは驚きより違和感だった。

 十二年前には、送金を進める理由を与えた。

 六年前には、その送金に関する記録を守る側へ回った。

 その間に何があったのか。

 それが今日の中心だった。

「朝食を食べながら考える顔じゃない」

 向かいからエイドリアンに言われ、私はパンを持ったまま顔を上げた。

「また顔ですか」

「さっきから一口も進んでいない」

「考え

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